私の目線の先はモデルさんの前腕ですが{言うまでもありませんが笑}細い前腕にも複数の筋肉が入り混じっていて、日常で欠かせない働きを果たしてくれています。腕の疲労が肩凝りの原因になったりする例も多々ありますので、その前腕の{働きっぷり}と”トリガーポイント”を解剖してみましょう。
●長母指屈筋(ちょうぼしくっきん)‥‥親指の辺りから肘の辺りまで伸びていて、肘の手前で太くなっている筋肉*親指の末端に関連痛が起こると握力を低下させたり、親指の関節が曲がりにくくなったりします。
●橈側手根屈筋(とうそくしゅこんくっきん)‥‥だいたい中指辺りから肘の辺りまで伸びていて、肘の手前で太くなっている筋肉*バーベルやダンベルを使って手首を巻き込む運動をすると訓練されます。
●長掌筋(ちょうしょうきん)‥‥手の平から肩まで伸びる長い筋肉*手の平の2~3㎝の範囲でチクチクと針に刺されるような関連痛が起こる事があります。
長母指屈筋は指相撲やライターの着火で動く筋肉
長掌筋と橈側手根屈筋は手の平で肩をポンッと叩いたり、手招きをする手だったり,ボールを投げたりする動きで働く筋肉です。
ここまでは掌側(しょうそく)と呼ばれる手の平側の前腕の〘筋肉解剖学〙でした。
ここからは背側(はいそく)と呼ばれる手の甲側の前腕の〘筋肉解剖学〙です。
●肘から(親指以外)四指まで伸びる深指屈筋(しんしくっきん)という筋肉があるのですが、それを覆うように浅指屈筋(せんしくっきん)という大きな筋肉があります。
この二つの筋肉に共通している動きは 握手をする,ボールを握る,バッグや吊革を掴む,鉄棒を握る といった動作です。その他にも長時間の車の運転でハンドルを強く握っていたりラケットを握るスポーツにより酷使され、痛みを生む原因となる事があります。中指~小指の手掌(手の平)面に鋭い痛みを引き起こし、しばしば関節炎と間違えられてしまうようです。
手を屈曲させて収縮を感じ触診できますが、深指屈筋のほうは深部にある為 触るのは難しいようです。まあ、浅い位置にある筋肉のほうが触診も施術もしやすいのは当たり前ですがww
●もう一本 肘から四指の指先まで伸びる[総]指伸筋(そうししんきん)という筋肉があるのですが、ここの関連痛も関節炎と間違われる事があるそうです。手の指をピンッと伸ばしたり,キーボードを叩いたり,ピアノやトランペットを演奏する動作などで動く筋肉です。
四指のうち一本を伸ばそうとすると隣の指が伸びてしまう のは、[総]指伸筋が収縮する事でまとめて腱を引っ張るからだそうで。甲の辺りで四本に分裂してそれぞれの指に伸びる筋肉ですが、肘~手の甲までは一本の太い筋肉なので連動して動くのでしょう。
以上のように筋肉は様々な動きを生み出しつつもあちこちで繋がっています。だからこそ私はハンドケア・トリートメントも入念に行なっているのです。
※関連痛・・・・原因を生じたその部分だけではなく、周りや離れた部位に痛みが拡散されること。その原因となった部分をトリガーポイントと呼びます。